第35回    ブロンズエイジの挑戦   (2002.3.2)

                                 M.Sunabata    

 2月3日に行なわれた少年少女指導員講習、それを踏まえた上での16日のフットサル。
ブロンズエイジの進歩はあるのかの第2弾。

 私の所属しているFC2002というチームは、サッカーの経験の有無や老若男女は問
わない、いわばアットホームかつ遊び心を大切にしている。今回のフットサルはライター
牛木さんの講座から派生したビバとの対抗戦行なった。週2回ほどの練習を積んでいるビ
バとFC2002の実力差はかなりあった為、防戦一方の展開ゆえに前線にいた私にはボ
ールが渡る機会がほとんどなく、講習を実践するまでにはいかなかった。それでも見えて
くるものもあるにはあるもんだ。


 まずは少年少女指導員講習の2日目についての話を始めよう。

 当日はあいにく雨。ということで体育館で2時間ばかりの実技講習となった。4人もし
くは3人のチームに分かれてゲームを通しての指導法を学習した。

 丁度バスケットコートが1面取れる大きさの体育館。通常バスケットでは縦長で使用す
るが、今回は横長に使用。長いラインに平行にコーンを置き、1m幅の地帯を設置。この
幅の中ならどこでもボールを止めてもゴールというルールで、4対4または3対3のゲー
ムを実施する。

 自陣ゴールと相手のゴール距離は短いが、横幅を大きく使って上手くスペースを突いて
いけば、ゴールの間口が広い分ゴールの機会は格段に上る。

 遠くにパスを正確に蹴られれば、スペースに動く味方にパス1本通してゴールを落とせ
る。人数も少ないのであちこちにスペースも出来て、自分のマーカーを引き離してスペー
スへの移動も簡単だ。また局面的に1対1の場面も多くなりドリブルを仕掛け易い。

 つまり味方からボールを引き出し易いスペースをいかに見付けるか、1対1で相手を抜
いてゴールを奪うかのゲームである。

 更にこの後は状況を難しくして、四隅にゴールを限定し、1チームに別方向に2つのゴ
ールとした。この変化に伴って、ボールを受けてからどちらのゴールへ向えばより得点が
挙げ易いかの状況判断を養う。

 この2つのゲーム通じて、ブロンズエイジでもスペースの利用の仕方は比較的に向上し
やすい。問題点は、1対1の駆け引きである。ドリブルで抜けば即得点という状況でも身
体が上手く反応出来ないのだ。

 Jリーグで数多くのドリブル&フェイントを見ているお蔭で、イメージのサンプルはか
なりあるしかしそれを体現することは、ブロンズエイジには困難なハードルがいくつもあ
る。

 ゴールデンエイジならば思考シナップスから運動シナップスへと神経伝達が速いしひょ
っともすれば考えるよりも行動が先行してしまうことすらある。ブロンズエイジは子供と
は違って、頭で身体の動きを考えてからでないと動作が出来ない。

 例えば、右足アウトでボールを突き、相手の体重移動をしたと同時にインサイドでボー
ルを動かして左から抜くといったように、一連の動作を頭に描いてみないと行動が起こせ
ないのだ。

 その上、今までボールを触れる経験が少ないゆえに、基本動作の連動性がなかなか身に
着かない。ドリブル&フェイントは経験とタイミングだ。相手との距離感によって、繰り
出すタイミングの妙で、有効な動作があるように思う。

 上記のミニゲームをする場合、ブロンズエイジにとっては予め「ドリブル&フェイント」
の型を1つを頭でシュミレーションし、同じパターンで何度もやってみることにより、あ
る形を徹底的にマスターするのも良いかもしれない。その日1日なり1ゲームなりを同じ
「ドリブル&フェイント」で通しでチャレンジしていくのだ。

 それとは別に上手い人のちょっとしたアドバイスで、ブロンズエイジも変化を見せる。
ミニゲームの最中、指導講師の山口氏が途中でゲームを止めてアドバイスをした。フィフ
ティーボールを女性2人で追っていた際のこと。単にボールに走り寄った二人に、ショル
ダーで相手のバランスを崩すことにより、自分が有利にボールに到達できることを指導し
た。

 よくよく考えれば、Jリーグでも2人選手がボールを追っている時に、ショルダーチャ
ージをして相手を弾いている姿はよく見ている光景だとブロンズエイジは思い付く。

 かくして、その指導を受けた2人の女性はゲーム再開後にそれまでよりも上達して、相
手のバランスを崩す動作をゲームに組み入れるようになっていた。

 こういったように周りの上手い人が、ちょっとしたアドバイスを送る環境も、ブロンズ
エイジの成長を促す手助けとなるのである。

 では次回は実践編・フットサルで気が付いたことのレポートをお送りする。