2003年11月23日(日)
ゲスト:
「光の輪の中」篠原哲雄監修、柴山健次監督、出演:安藤弘子さん・新崎和昭さん・水野以津美さん
「ラッキーロマンス」水戸ひねき監督

―大変長丁場に渡りまして以上で全8本の上映が終了いたしました。
中でも、最後の作品であります「光の輪の中」。こちらは、今回伊参スタジオ映画祭が初プロデュースの作品と
聞いております。また撮影も中之条町を中心に行ったとお聞きしましたけど、篠原監督、こちらを映像化するに
あたってのいきさつをご説明いただけますか。
篠原:はい、篠原です。どうも、こんにちは。

これは僕がENBUゼミナールという学校で講師をしてまして、水戸ひねきさんもそうなんですけど。
「ラッキーロマンス」は、水戸の俳優コースというクラスの作品の卒業制作で、僕が持っているクラスというのは
映像コラボレートコースと言いまして、監督を目指す人と、俳優を目指す人が両方集まって制作するという形でですね。
主に、学生さんが監督をし、生徒さんが俳優を演り、中に足りない時はプロの人から連れてくるとか、他の方に
お願いするとかいうような形で作品を作っているクラスなんですけど。
僕はそのクラスの監修として作品を選ぶような過程を含めて面倒見てやってるんですけども。
実は、柴山のこの「光の輪の中」は、正直に言うと昨年のクラス作品から外れてしまったんですね。
これを、きちんとやったら面白くなるだろうという僕の中の気持ちがあってですね、要するに予算の問題で、
クラスの作品で、今、35分だったんですけど・・・、何本か長編の候補があってですね。
クラス作品としては要は選ばれなかったんですけど、どっかでやりたいなと僕自身は思っていて。
今年、初めて伊参でシナリオ大賞というのがありまして、後で発表がありますけど、グランプリを映画化するという前提で、
この伊参スタジオ映画祭がこのスタジオをベースにして作品を作るという、その先駆けのようなものというのは、
ちょっと大げさなんですけども、映画祭のスタッフの人達と一緒に物を作っていくということを何か僕自身がやりたかったということで。
それは、映画祭にとってもプラスだし、彼らにとってもプラスだろうからということで、こちらを起点に撮影という形を
取らせていただいたというような経過なんですけども。
ここは、僕が「月とキャベツ」でお世話になっていたときよりも、宿泊施設も充実してますし。
僕等が合宿をして自分たちで食事を賄って色々な事をしていけば出来る体制になってまして、尚且つ今回は、
この映画祭のスタッフ人達が炊き出しという形で手伝ってもらって僕らの作品に協力してもらって出来上がった
作品なんですね。まあ、ちょっと真面目な内容過ぎたかな(笑)とは思ってはいるんですけど。
―そうしますと、篠原監督が暖めていた作品を来年に向けてのシナリオ大賞の作品を映像化する為の一つのお手本という・・・。
篠原:いや、手本というとおこがましいので、悪い見本という風に言ったほうがいいのかもしれませんけど。
―柴山監督が今、顔を背けてますが(笑)。
篠原:悪いというと、隣に柴山がいますんで、あれなんで、悪いとは言いませんが・・・。
まだまだこれ以上のものを作らねばいかんという事です。

―今、手厳しい評価を受けましたが、今回大抜擢をされて柴山監督はいかがでしたか?
柴山:一つ、チャンスをいただいて、ただそれを自分の満足行くように・・・というのが第一にありながら、
その責任を果たしたいというのと、それ以上の物も求めることが出来たらというので臨んでたのですが。
一つ、今日この場になって、やっと実感するといったらちょっと遅いという話になってしまうんですけど、
やっと実感してまして。満足しているという・・・。作品に満足してるというのでは、なく、この場に満足していると。
篠原:作品に満足しろよ、お前。どうなんだよ。

柴山:(苦笑)。今後も、より自分の活動を高めて行きたいという意味で満足してないということで、
この作品には満足しています。はい。

―なるほど。実際、中之条町で作品を撮影するにあたりまして苦労話、良かった点等ありましたら一言いただければ。
柴山:苦労話というよりは、全面的な協力をしていただいて、本来これぐらいかもっと上ぐらい苦労するだろう
というのを大分軽減させてもらったので、逆にそっちの方が大きかったですね。
―ああ、なるほどね。篠原監督の隣で大分緊張しているようですが、柴山監督は、非常に篠原監督にラブコールを
送ったという。どうしてもこういう映画の仕事がしたいということで。篠原監督の作品「はつ恋」をご覧になって号泣して、
ぜひこの監督の下で修行がしたいということをプロフィールで拝見したのですが、そのエピソードとかあればご紹介ください。
柴山:あのー、高校時代に「月とキャベツ」を見た頃は、自分が映画を作るという方向をまだ考えていない頃に見ていたので、
たぶん映画好きとかでなかったら、あまりスタッフよりは出演者の名前ばかりみて、スタッフの名前は見ないと思うので、
その頃はまだ篠原監督の名前は存じてなかったんですが、高校3年ぐらいに映画を志そうと思ってから、大学3年生の春に
「はつ恋」を見て、篠原監督の名前を知ったんですけど、その時に、街中の映画館だったんですが、人の行き来が
多いところで映画を見終わって、自分はまだ涙が止まらなくて・・・。帰れない、映画館を出れないって時に、
ずっと映画館の非常口で泣き止むまで待ってたということが1回ありましたけど。

―私も泣きましたね。では、出演されました安藤さん、新崎さん、水野さん、ちょっと
立て続けに質問させて頂きますが、今回役作りとか、こういう点を気をつけたとかいう事はあります?
安藤:私の場合は、脚本の段階からずっと柴山君と話をしていたので、役作りというのを意識していなかったというか。
ずっと脚本を読んでいる時点で、佐田裕子の気持ちを、ちょっとずつ自分の中に自然と入ってきたので、
役作りで何かをしたというのは特に無いですけど、すごく好きな作品だったので、自然と入り込めました。
―やはり思い入れがあったので?役柄的に一番難しいですよね。お母さんが入院してたりとか、進学の問題とか
一番狭間で揺れる演技をしなきゃいけないじゃないですか。でも、それは思い入れがあったから自然に出来たと。
柴山監督の演技指導はいかがでしたか?
安藤:演技指導ですか? ・・・厳しかったです(笑)。

―なるほど(笑)。続きまして、新崎さんいかがでしたか?
新崎:僕も同様で、柴山監督と一緒にこの外山という人物を作り上げたという感じがあるので、
自分でこう考えて、ああしたという風な役作りの仕方はしてなくて。二人で話して、こうあるべきなんじゃないかと、
こうして欲しいという柴山監督との話し合いで生まれてああいう風になったと思います。
―うーん、なるほど。では、水野さん。
水野:私も、前の2人と同じなんですけど、何か役作りの為にこうした、ああしたとかじゃなくて、柴山さんと・・・、
あと、その脚本を読んだりとか。あと一緒に3人でいたりとかいう所で、自分の中で何か色々な物を
掴んだりして作りました。

―篠原監督にお伺いしたいのですが、この後、シナリオ大賞の発表がありますが、主に審査をする段階で、
どの辺にウェイトを置いてますか?ストーリー性、及び作品性とか?
篠原:それは、作品それぞれに依るんですけどね。面白さというのは作品によって千差万別だと思うんですよね。
その面白い、つまんないということで選ぶのではなく、うまい、ヘタかということで選ぶわけでもなく、
これが映像化するに当たり、何が一番やりたいのかって事がハッキリしてるかどうかということと、
書いてる側は、自由に書けるわけですよ。そこにおけるセンスのようなものを感じられたら、そこがプラスになっていくわけだし。
色々な面白さの図り方があるんですけど、僕は、書いてる側のモガキが分かる作品の方が好きなので、完成度が高いものよりは、
うまくは行ってないけども、作り手側の感情が感じられるもの、それは、登場人物に表れてくる可能性が高いんですけども、
まだまだ未完成だけど、ものすごくやろうとしてる事に何か向っていく姿勢みたいなものが感じられる脚本を自分の好みとしては
選んでるかなという感じですね。
―なるほど。では、この辺のお話は次の表彰式の講評で、総評的に詳しく覗えると思うので、そちらでまた。
では、柴山監督はじめ皆さん、今後の目標、夢、活動の予定とかあがれば教えてください。
柴山:今後の予定というのは、立ってないのですが、まだ確かな物がないので、あがくだけです。はい。
―では、安藤さん、お願いします。
安藤:まだ、駆け出しなので、学ぶこととか経験をすることが沢山あると思うので、
それを一つ一つ、大切にこなして行って、経験を積んで頑張りたいと思います。

―はい、わかりました。では、新崎さんお願いします。
新崎:はい。僕も予定というのはコレとしてないのですが、まだ日も出ていない新人なので、
これからもっと力と経験とチャンスを物にすることを心に決めて頑張って行きたいと思います。

―はい、ありがとうございます。では、水野さん。
水野:私は劇団にいて、今舞台の方もやらせてもらってるのですけど、舞台も映画も出来る女優になりたいです。

―はい、是非頑張ってください。それから、水戸監督。篠原監督の門下生として、今の作品をご覧になってどうでしたか?
水戸:そうですね。こういう高校生の気持ちとかが、大分忘れていた自分がショックでしたね(笑)。
色々、学校とか病院とか凄いとこで撮影してて羨ましいなあと思いましたね。

―なるほど。では、そろそろお時間になりますので、最後は師匠である篠原監督に一言お願いします。
篠原:
今、学校と病院の話が出ましたけど、それは本当に町のお陰でお借りできてる、ご協力を本当にしていただいて。
実は、撮影中ずっと中之条町にお世話になりっぱなしででしてね。それで出来あがったような所があるので、映画を作るということが、
こういうスタジオの存在とかの大きさみたいのを感じましてですね。隣が宿泊施設になってるわけで、1週間、ゴールデンウィークに
やったんですけどね。

色々彼らは考えて、毎回色々な事を言ってきて、僕なりに、なるべく応えようと思って一生懸命やってるんですけど、
監督と監修の立場の違いっていうのがどうしてもあってですね。監督の気持ちを出来るだけ分かってやりたいと思いつつ、
どうも、多少欠点に気付かなかった所が凄くあってね。それは監督には言ってるんですけど、この作品の中で安藤弘子がやってる役の、
絵を描いて行くという姿勢みたいのが言葉でしか語られてないんですね。夢をもっているだけで。
絵を目指している子であれば、その描写が一つでもあればね、説得力があったというか。
そういうのを僕は監修者としては、本当は言ってあげられなければ行けないのに、僕がそういう事に気付かなかったという所が、
監修としては失格だなと。ただただ段取りに回ってただけだったなと、自分が助監督の時に、いろいろ監督のために段取りをする
役割になるのですけど、その事を思い出しつつ、自分が監督をしているのと、よそから監督を見るのでは、視点がやっぱり違うんだな
ということに気付きまして、これは大いなる反省だなと。
もっときちんと言ってあげられなければ、監修としてはいかんなと、いうことが凄く反省として自分自身思ったんですけども。
でも、まあ出来てよかったなという風には思ってまして、これで作り手達がそれぞれ考え方で得る物があって、作品が出来上がって、
こういう映画祭があってかけていただけたるわけですから、その先駆けの一歩としては、うまく行ったのではないかという風には思いますけど。

―なるほど。ありがとうございます。まだまだお聞きしたい事が沢山あるのですが、お話がつきません。
ここでお時間となってしまいました。ゲストの皆さん、今日は本当にありがとうございました。
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写真提供:kogureさん
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