10月「企業研修の中間地点」      
中間報告会
初めて手にしたJRの通勤定期も更新の時期を迎えた。この研修を始めて、早いものでもう半年が経つ。
10月の学校勤務日は、午後からこの研修員が県庁の会議室に集い「中間報告会」が持たれた。各研修員の皆さんはそれぞれの研修の場で、本当に素晴らしい研修をなさってきていると実感した。それは、その企業の仕事内容を覚えていく、業務内容を勉強していくという事だけではなく、様々な人との関わりの中で、今までにない何かを感じ、自分の生き様、人生観までも変えざるを得ないようなできごとに遭遇しているということではないだろうか。
このような報告会に参加し、違った企業の報告をお聞きする中で考えさせられることがたくさんあった。
以下、まず、この報告会の中で感じたことを中心に書かせていただくことにする。
社員の研修体制
各企業では本当に社内研修が盛んであると感じる。私がお世話になっているNTTでも以前に書かせていただいたが、たくさんの研修がある。他の方が研修している各企業においても、本当に色々な研修体制が整っていると感じた。ある企業では、研修と共に試験が行われ、この資格によって昇進が決まるという。また、給料が変わってくるという。この研修が、社員の資質向上になる事はもちろん、社員の意識も高まり、品質向上にもつながってくる。これこそ、お客様への信頼につながるのだと思う。そして、企業が一番求めている業績の向上になってくるのだろう。
内側から見る「お客様」
販売業に携わっている研修員の方々は口々にお客様のモラルのなさ(もちろん一部の人たちだけです)について嘆いていた。その嘆きは、もちろんそのお客様の態度に対してということもあるかもしれないが、それ以上に、そのような人間を我々教員が作ってきてしまったのではないだろうかということが理由になっているようだ。日本人のモラル、マナーが乱れてきている今、もう一度モラル、マナーについて考えていかなければならない時代になって来たのではないだろうか。
それと共に、自分自身がそのお客様のように、店員の方に横柄な態度で接していなかっただろうかと反省しなくてはいけないと感じさせられた。そう、店員の方にも家族がいて、子どもがいて、日々一生懸命に仕事をしているのだ……。そして、このことを子どもたちに理解させていかなければ。
自分の成長こそこの研修で得られたこと
研修員はそれぞれに教育に対する改革を要求されているのかもしれない。「現場に帰ったら、この研修で得られたことを広めていってください」と、県では言いたいのだと思う。しかし、そんなこと以上に研修員はみな、この研修に参加したことにより、今まで見ることのできなかった世界を見ることができたこと、教育から離れた部分から学校を見つめ直すことができたこと、そして何より一番自分自身が成長したことを心から喜んでいる人ばかりである。
県教委の担当者の方から「この研修を現場の他の方々にも勧めてください」と言われたが、いいえ、そんなこと言われなくても、この研修お薦めしちゃいますよ。
会社の方からの教育相談
どの研修員も、職場の中で、時々「教育相談」を受けることがあるようだ。そんな中、時々学校批判も耳に入ってくるようだ。学校はまだまだ敷居が高いのだろう。担任に直接言えないことを、ちょっと学校に近い人に「聞いてくださいよ」と訴えてきたのかと思う。
「お客様の声」を本当に大事にしている企業。それから比べると、お客様の声さえ聞こえてこない雰囲気を作ってきてしまった学校。反省反省!!
プロとしての権威
各研修員からの報告のあとに、県教委の方からの講評・激励があった。「プロとしての本物の権威を持ってこれからの教育に携わっていって欲しい。」という言葉が心に残っている。あえて、ここでは答えを出さずにいよう。残りの半年間、「本物の権威」とは何かを考えていこうと思う。
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部長の企み
部長からの提案で、毎週水曜日午後4時からみんなで語ろうじゃないかという時間が作られた。仕事に関してだけじゃなく、自由に話をしようということで声がかけられた。その企画に賛同し、たくさんの方々が仕事の手を休めて参加した。第一回目は、部長からの問題提起から始まった。「話し合いを盛り上げるために、ちょっと過激な仮説かもしれんぞ」とおっしゃっていたが、確かにそれに対しての反応はあった。活発に自由に討論された。もちろん簡単に答えが出るものではなかったが、その話し合いにより、なにかしら残っていったのではないかと思う。
学校現場ではどうであろう。この頃「いいたいことを言い合える場」が少なくなってきたと感じるのは私だけだろうか。かつて、酒の勢いを理由に若造が偉そうに校長、教頭にくってかかったことがあった。その時、その若造が正しいとか間違っているとかは問題ではない。その場面が設けられたことを非常に嬉しく思えた。しかし、今は、自分が若造にやられるんじゃないかという恐怖感か、「忙しくなってきた」を言い訳にして、そんな機会を避けているように感じる。
教育現場でも、何でも自由に討論できる場って必要だと思う。こんな機会を設けられたら……。
緊張の瞬間
ここに来て半年。その半年の間に何度かこの瞬間を目の当たりにしてきた。緊張の理由は電話回線の事故。第一報が入ると共に、自分自身の仕事を後回しにし、それぞれの担当者が現場に向かい、電話で対応をし、残った人はその動きを刻銘に記録する。あちこちで電話がなり、あちこちに電話をかけまくる。災害対策室の電話のやり取りをモニターする声が社内に響き渡る。この緊張の理由は、電話が実は大きなライフラインの一つになっているということではないかと思う。我々一般人から見た電話のイメージは、単なるお話の道具。しかし、電話は119番、110番などにもつながっている。大きな病院の連絡にももちろん電話が使われている。そして、この法人営業部では、大口のユーザを抱え、そのお客様に対して損失を最小限に食い止めていこうという、まさに「お客様の満足のために」ということであろうと思う。
人権研修
学校現場にいると時々人権の研修会と称して講話を聞く機会があった。学校では子どもに人権を教えていかなければならない立場なのでこのような研修があるのだと思っていた。しかし、ここNTTでも人権啓発研修会があった。全社員を対象にして、県内3ヶ所の会場に分かれ、いずれかに必ず出席しようということだ。
講師は元学校長。「明るく働きやすい職場環境作り」という表題で話をされたが、職場の中での人権というようなことだけではなく、本当に一般的な人権についての話が1時間半に渡って話された。一般企業でもこのような人権に関する研修が行われていることに驚くと共に、我々教員も、もっともっと勉強していかなければならないことだと思った。 そういえば、NTTでは以前に社員に対しての「人権標語の募集」が行われていた。そう、企業は利益追求だけではない。環境のために、人のために、地球のために、子どものために……。色々考えてくださっているのである。
仕事の顔を見てね(イベントへの参加から)
今月は東京ガスとのタイアップイベントに参加してきた。また、自分の地元でもある前橋まつりの御輿を担がせていただいた。そんな中、気がついたことがある。5月の感想に「昼間の“光っている”パパの姿、見せてあげたい」と題して書かせていただいた。それには、会社で働いているお父さん、お母さんの姿を是非見てもらいたいということであったが、ここNTTでは、結構その「働いている姿」を見せているのかなあと思ったのだ。東京ガスとのイベントにも、前橋まつりにも、社員の方のご家族の方々が見に来ていらっしゃるなあという印象を持った。奥様がお子さんを連れてきたり、またはお子様がお友だちと来たり……。そこで、他の社員の方に紹介をしたり、気さくに話をされたり……。直接仕事に携わっている姿ではないにしても、「ちょっとだけ会社の顔」をしているお父さんの姿を見つめることができるのではないかと思う。
そういえば、子どもたちが時々「お父さんの会社の運動会に行って来た」と日記を書いてきてくれたことを思い出す。これって、もしかして、その会社にはそのような意図もあったのかなあ??
JGNバーチャル大学
JGNのバーチャル大学に参加させていただいた。JGNとは国が実験・研究のために日本国内に張り巡らされたギガビット級の通信回線。今回のバーチャル大学というのは、その実験回線を使い、群馬県を中心にして遠隔講義をしてみようという企画だ。県内は群馬大学、高崎経済大学、高崎商科大学、高崎健康福祉大学、前橋工科大学と5つの大学が参加している。県外でも、宇都宮大学となんと鹿児島大学が参加している。これだけたくさんの大学が参加して、1つのネットワークの中で画像を送り出し、受信している。何でもない事のようだが、実はものすごいデータ量なのだろう。素人には全然理解できないことだが、プロによると、やはり,ものすごい事なのだろう。そのすごい実験・研究が行われているということ、また、このすごい実験・研究にNTTも一役買って出ているということを是非知っていただきたく思い、この場をお借りして報告する。