4月
今までの自分の甘さと共に、社会の厳しさを感じた1ヶ月だった。
一番感じたのは、学校現場での電話の応対の悪さである。敬語を教えている身ではあるのに、全くその敬語の基本を無視した応対をしている。同じ職場にいる人間に対して、たとえ目上の人であろうと、呼び捨てにするのが社会の常識。
しかし、学校現場では、どんな電話であろうとも「○○先生ですか?、ちょっとお待ち下さい。」と“先生”という敬称をつけている。
NTTはさすがに電話会社である。その応対マナーは最高のものである。お客様をお待たせしないようにと、誰でもすぐに電話を取る態度は本当にすばらしい。(「研修中の身であるから」と理由をつけて、目の前の電話がなってもどうも手を伸ばさない自分に、ちょっとずるさを感じてしまう。)
自分の担当のことでなくても、相手はお客様だという事は決して忘れない。「担当外なので……」という理由で、お客様をたらい回しにする事はない。ここは法人営業部。個人的なお客様からの問い合わせはないわけではあるが、時々ここにも個人的な問い合わせの電話が舞い込んでくる。その時には優しく丁寧にきちんとした知識の上に応対している。NTTの全商品に対して、全社員が隅々まできちんと理解しているのである。社員のスキルアップに向けての社員教育、社員研修は本当に徹底している。
「教員は、社会の規範とならなければいけない。だから交通事故なんか起こさないように。だからもちろん酒飲み運転なんかしないように……」と言われる。
ゴールデンウィーク前のミーティングで部長から、「ゴールデンウィークは他県の車が入って来ます。慣れた道を走っている皆さんは是非道を譲ってあげてください。」とのお話があった。その後、みんなで「安全運転良し」の唱和があった。「NTTの社員として、安全運転を」というものではなく、『安全運転は社会の常識だよ』という気持ちを感じた。そう、「学校の先生だから安全運転をする」のではない。「NTT社員だから事故を起こさないようにする」のではないのだ。安全運転は社会の常識なのだ。
全ての机の上にはパソコンがのっている。みなさん毎日パソコンを見つめ仕事をしている。パソコンの技能も本当にすごいと思う。「みなさんパソコンを使いこなしてますねえ」というと「使っているフリをしているだけ……。」と言う。いえ、そんなことはない。ネットワークもうまく使っているし、メールも効率的に使っていらっしゃる。本当にうらやましい環境だ。学校でもこのような時代がくるのだろうか。「使わなければ仕事ができない」ような環境を作っていくことがいいのだろうか。「使うとこんなに便利だよ」という事をどのように伝えていったらいいのだろうか。
来月からはネットワーク関連の部門に所属し、実際にお客さま対応もしていくとか。不安もあるが、ちょっと楽しみでもある。対人間(子ども)の仕事をしている自分が、果たして対おとなではどこまで通用するのか。人に分かり易く説明していくテクニック、その気にさせていくノウハウを教えていただこう。