7月                

何もかも驚くことばかり……。また今月もたくさんの”ビックリ”を経験した。たくさんの”初めて”を経験した。しかし、いつまでも「へぇー」「すごーい」だけをレポートしていては、芸がないかなあという事で、今月は少々自分の思いもまとめていくことにする。

人前で話ができるだけでは教師とはいえない
NTTの方々が人前で話をする場面も沢山ある。お客様相手に商品の説明をする事はもちろんのこと、他にも大勢の前での講習会を開くという場合もたくさんある。
自分の所属しているグループ主催による勉強会が催された。高崎、前橋、太田を回り、この部署が扱っている商品を他の各支店や部署の方々に正しく理解していただいて、もっとたくさん売り込んでもらおうというものだ。私も一つの商品の説明を任された。自分でも緊張したが、他の方も緊張されていたようだ。しかし、どの社員の方もきちんと分かり易く説明し、その役割を果たした。
また、シニアネット群馬というボランティア団体で、お年寄向けにインターネット講習会が持たれ、社員の方が講師になり説明をしていった。パソコンなんて全く初めてだというお年寄の方々に分かり易く、飽きさせずに説明をしている姿はパソコン教室の先生ではないかという錯覚さえ覚えた。
私は毎日毎日人前で話をする教師というプロ。しかし、この方々と何ら変わらぬ仕事をしているように感じた。いえ、もしかしたら人前で話をするのはもっともっとヘタなのかもしれないと感じてしまった。
では、教師というプロは、何をしてプロと言ってもらえるようになるのだろうか。それは、子どもの心を捉え、その心を変化させていくことが出来るかどうかということなのではないだろうか。子ども達の心理を正しく捉え、子ども達が、問題を解決していかなければいられない気分にさせていくのが我々プロの技なのではないだろうか。ただ話をしていくだけなら誰でも出来る。「聞きなさい」「うるさいぞ」で話に集中させ、「考えなさい」で問題を解かせるのではいけないのしょう。

時間外労働
時間外労働がこのところ問題となっているようだ。各企業に監査(?)が入って調査され、問題ありの企業については指導されたということだ。
ちょうど同じ頃、私が登録している教育関係のメーリングリストでもこのことが話題に上ってきた。企業に勤めるあるML登録者から、教員である奥さんがこのところ帰りが遅く困っているという発言だった。
果たして一般企業と教員とどっちが実質の労働時間が長いだろう……。いえ、ここでこんな比較をしてはいけない。どちらも頑張りすぎだと感じる。かといってどちらも、(どんな職業でも)手を抜くわけにはいかないのは当たり前だ。
私がかつて一緒に勤めさせていただいた、非常に尊敬している先生は、ものすごく勉強している。授業も上手だった。しかし、その先生は、遊びに対しても一生懸命なのである。OFFROAD車に乗り、大型バイクでツーリングを楽しみ、色々な雑学も色々なウンチクも語ることができた。なんでこんなに時間があるの??と思ってうらやましかった。「一日25時間あっても足りない」と言って慌てて仕事をしている我々を横目に、一日24時間をゆったりと使っているのだと思う。無駄な時間を捨てていないのだろうなあ。効率よく、集中的に仕事をしているのだろうなあと本当にうらやましく思った。
仕事をする時には無駄なく仕事をし、短い時間で仕上げてしまう。残った時間はゆっくり体を休め、遊び、家族サービスをする。理想の姿だ。そんな先生に少しでも近づきたいと思う。


学校の先生は長い夏休みがあっていいねえ

7月の学校勤務日は一学期の終業式の日。早いもんだなあ、これで回目の学校勤務日だ。学校はこれで夏休みに入る。毎年毎年、この日は何となくわくわくする。子どもと同じ気持ちだ。でも、今年のこの日は残念ながら、そんな気持ちになっているであろう同僚たちをうらやましく指をくわえてみていただけ。これから始まる40日の夏休み。プールにも入れる。ゆっくりと2学期の授業を考えられる。家族と遊びにも行ける。臨海学校に行ける。いろいろな研修会にも参加できる。大学の時の友だちとも会える……。いろいろな楽しみが頭の中を駆けめぐるこの日。しかし企業では、いつも通りに仕事をしなければならない。
「学校の先生はいいよなあ、夏休みに遊べて……」と言う感想は誰もが持っていることであろう。それを、ズルイと見るか、普段働きすぎだからと見るかの違いはあるだろう。

今年、企業の仕事を経験している自分は、企業にはきちんとした休憩の時間が確保されているというのを感じる。お昼休みは100%自分の時間として使える。午前と午後に、適度な休憩もとることが出来る。しかし、学校では、学級担任をしていれば、お昼休みはもちろん、ちょっとした休憩時間もなかなかとることは出来ないのが現状のようだ。家に帰っても仕事をする場合もある。超忙しい職業だと思う。その忙しかった分、せめて夏休みにはゆっくりと体と心を休ませるのは必要ではないだろうか。
これは、学校現場しか知らなかったときの感想。今年、企業研修に出て初めて、「忙しいのは教員だけじゃない」ということを感じた。

教員は、せっかく与えられたこの時間を、ゆっくりと休むと共に、自分の子どもたちと、家族と過ごす時間を持ってほしい。色々なところに出かけて見聞を広めてほしいと思う。
企業の方も同じく、ゆとりのある時には、休みの時には自分の子ども達、家族を大切にしていただきたいと思う。そして、心と体を休めてほしいと思う。

学校の先生は世間知らず……?
今月2件ほど学校の教員による事件が新聞に載っていた。子どもに対して行き過ぎた指導をしてしまったという記事だ。世間の方々が「学校の先生って変だよ」と思ってしまうのも当たり前だ。やっぱり学校の教員て世間知らずだなあと思われてしまう。この企業研修に出させていただいて、つくづく自分の世間知らずさを知り、毎日毎日反省してしまう。やはり、この研修の意義を実感する毎日だ。
(御免なさい。世間知らずの教員は私も含めて、極わずかな人間だけです。ほとんどの教員は、本当に世間から尊敬されるべき常識人ばかりです。)