ぼくのサッカーボール  ぼくはサッカーが大好きで、2年生の時から地域のサッカークラブに入って練習している。そのときから自分のサッカーボールが欲しくて欲しくて、いつもいつもお父さんに頼んでいた。お父さんは「もっと上手になったらかってあげるよ」と言ってなかなか買ってくれなかった。
 でも、今年の誕生日に、いよいよ待ちに待った自分のサッカーボールが手に入った。お父さんがぼくのために、ビニールじゃない、ゴムじゃない、本物の皮でぬい合わせた最高級品のボールを買ってくれたのだ。「このボールで一生懸命練習して、レギュラーになれよな。」と、言ってプレゼントしてくれたんだ。
 でも、このボールのことで悩んでしまった。
 クラスの友だち、てつや君が遊びに来たのは雨の日だった。雨が降っていたので家の中でゲームをしていたけど、そのうち雨もやんだ。てつや君は「外で遊ぼうぜ」と言って、ぼくのサッカーボールを手にした。でも、そのサッカーボールは大事な大事なサッカーボールだ。まだ、一度も使っていなかったボール。もちろんサッカーをするために買ったものだけど、やっぱり雨が降ったあとに使って、よごれてしまうのはいやだ。初めて使うのはやっぱりサッカークラブでと決めていたし……。
ゆうじくんごめんね 休み時間のチャイムが鳴った。ぼくは、ゆうじくんと約束をしていたのでなわとびを持って外に出た。しかし、外に出てみたらさとしくんがサッカーボールを持ってぼくをさそってきた。
「サッカーやるんだけど、人数が足りないんだ。まざってくれないか。」と言われた。
「ゆうじくんとなわとびやる約束しているんだ。わりいなあ。」
とことわったけど、
「ただおと同じレベルのキーパーが必要なんだ。上手い人は他にいないだろう。ゆうじは一人だってなわとびできるだろう。」
と説得された。ぼくはなんだかうれしくなって、サッカーにまざってしまった。
ゆうじくんもさそってみたけど、
「ぼくはなわとびの練習するからいいよ。」
とことわって、一人さみしくなわとびの練習をしていた。
森の動物会議  ある森に出かけていったとき、森の動物たちがみんな集まって会議を開いていました。
「このきれいな森の木を、たくさん枯らしてしまったのは人間のせいだ。人間を有罪にして、この地球から追い出すべきだ」
「いいえ、私は人間に優しくしてもらいました。けがをして倒れていたら、治療をしてくれて、この森に返してくれました。」
「そんなのは、一部の人間だ。」
……
まだまだ動物たちの会議は続いています。いったい人間は有罪なのでしょうか、無罪なのでしょうか。
登校班の班長  お兄ちゃんが卒業して、中学生になったので、今年から私が登校班の班長になりました。5年生や4年生がいないので、副班長は3年生のみずほちゃん。他には3年生のかずき君、2年生のたける君、そして1年生が新しく2人入って、全部で5人のめんどうを見ながら毎日事故にあわないように気をつけて学校に連れていかなくてはいけません。特に国道をわたるところは、信号があるけど、車がものすごいスピードでまがってくるのでとてもこわいところです。
ある日の朝、1年生のはるき君がころんでひざをけがしてしまいました。はるき君は泣いてしまって歩こうとはしません。おんぶしていこうと思ってもいたがってしまってだめです。はるき君が泣きやむまで待っていたら他の人たちが学校に遅れてしまう。今日はみんなが楽しみにしていた七夕集会がある日なのに。でも、他の人たちだけで先に行かせるのは危ないし、班長としての責任もあるし……。私はどうしたらよいのでしょうか。
さち子ちゃんの絵  私は図工が大好き。特に絵をかくのが大好きで、自分で言うのも何だけど、けっこううまい方だと思う。毎週毎週図工の時間が待ち遠しい。
 その日の図工は、花の絵をかいた。花の絵は一番の得意で、だれよりも早く仕上げてしまった。でも、何人かの人は図工の時間だけでは仕上がらなくて、放課後残ってやっていくことになってしまったようだ。
 友だちのひろ子ちゃんとゆみちゃんが残ってやっていくというので、私も残ってみていた。ひろ子ちゃんとゆみちゃんはもうほとんどできあがっていたので、すぐに完成してしまったけど、気になったのが、さち子ちゃんだった。さち子ちゃんはどちらかというと、絵が得意ではないようで、なかなか進んでいない。まだまだ時間がかかってしまいそうだ。でも、どうしてもうまくいかないようで、ちょっと目に涙をためているようだった。もうじき下校の時間にもなってしまう。このままではかわいそうだから手伝ってあげようかなあとも思ったけど、手伝ってあげてしまったら、さち子ちゃんの作品にはならないし、きっとさち子ちゃんがかいたんじゃないってわかっちゃうし……。
 私はどうしたらいいのかわからなくなってしまった。
修学旅行班 修学旅行の班を決めようとしたところ、みんなは「好きな人どうしがいい」という。でも私はくじ引きがいいと思う。理由は三枝子ちゃんのこと。三枝子ちゃんはクラスの中でちょっと浮いている存在なんだ。班を決めたり、バスの座席を決めたりするとき、必ず一人残ってしまい、いつも寂しそうにしている。三枝子ちゃんのその姿を見ているのは可愛そうだ。でも、多数決になってしまいそう。どうしたらいいのだろう。
雨の中の子犬  私は動物が好きです。特に犬が大好きで、前に住んでいたところでは、シェリーって言う名前の、かわいいシェルティーを飼っていました。でも、お父さんの仕事の都合でここに引っ越しをするときに、親せきの家にあげてしまったのです。
 今の私の家はマンションの3階。残念ながらここでは、犬やネコの生き物は飼うことができないきまりなのです。でも、どうしても犬が飼いたいなあといつもいつも思っています。
 そんなある日、学校からの帰り道。雨の降る音に消されそうな小さな声で子犬の鳴く声がするのに気がつきました。その声は、ゴミ捨て場所の横に置かれている箱の中から聞こえてきたのです。あわてて箱を開けてみると、そこには、まだ小さい子犬が3匹、雨にぬれた箱の中で、さみしそうにキャンキャン鳴いているのです。かわいそうになって連れていってあげようかと思ったのですが、もちろん家で飼うことはできないのです。せめてゴミ捨て場じゃないところに移動させてから考えようと思ったけど……。
自分で飼うことができないのに、えさをあげたりするのは無責任だと思う。でも、えさをあげなくては死んでしまうかもしれない……。
 どうしても結論が出ないのです。どうしたらいいのでしょう。
飼育係  1学期の係決めで、なおやくんとぼくは飼育係になった。教室にはジュウシマツと金魚を飼っていたので、そのエサくれとそうじが主な仕事だ。
 でも、ぼくは困ってしまいました。なおやくんは、ほとんどエサくれをやってくれないのです。順番を決めて一日交代にしたのに、放課後になるとすぐに帰ってしまうのです。順番をきちんと決めたんだから、なおやくんにはしっかりと仕事をしてもらいたいけど、何度言っても無理みたいなんだ。
エサをくれなかったら、ジュウシマツも金魚も死んでしまうし……。
なおやくんに文句を言うのはもういやだし……。
 ぼくはどうしたらいいのだろう。
割れた花瓶 今日の朝の会で、先生が花びんのかけらを持って、こんな話をしました。
「きのうの放課後、教室のまどを閉めようとして教室に入ったら、花びんがわれて、ゆかが水びたしでした。だれがたおしたか知らないけど、たおしてしまったら、元にもどして、ゆかをふいておいてくれればいいのにねえ。だれか、心当たりの人はいますか……。」
その話を聞いて、わたしはふときのうのことを思いだしたのです。
 きのうは代表委員会で、おそくまで残って仕事をしていました。仕事が終わって、帰ろうと教室の前を通りかかったとき、ふと見ると教室に佐織ちゃんがいたのに気がつきました。わたしがちょうど階段を下りようとしたら、教室から何かがわれる音がしたのです。その時は何も思わずに帰ったのですが……。
 もしかしたら佐織ちゃんが花びんを割ってしまったのかなあ。
 わたしはこのことを先生に言おうかどうかまよってしまいました。
 どうしたらいいのでしょう。
忘れ物が多いよ  あなたは学校の先生になりました。子どもたちは最近忘れ物ばかりしています。習字の道具を忘れたり、図工の絵の具を忘れたりと、とても授業になりません。最初は「今度は忘れないようにしようね」と言っていたけど、なかなか忘れ物は減りません。
忘れ物をなくすために、あなたなら子どもたちにどんな指導をしますか。きびしくしますか(ばつをあたえますか)、やさしくしますか??
社会問題 ○尾瀬の入山料は徴収した方がいいか
○脳死判定による臓器移植は賛成か反対か
○トンネル工事に女性を入れないのは男女差別かしきたりか
道徳資料
この道徳資料を使って「賛成か反対か」「Aの考えかBの考えか」など二つの意見に分かれて討論させていきます。
クラスの実態、対象学年によって内容を変えてみてください。
実践後子どもたちの反応を教えていただければ幸いです。
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