2003年エンジン改造内容まとめ


2003年の全国大会出場までに、加速テスト等を行いながらエンジンの改良を進めて きた経過を示します。
扱い易い2号車をメインにテストしつつ、得られた結果は1号車にも反映させています。
結果のうち、3月15日までの内容は、”加速テストの巻”のページと同じです。
2号車の場合、2003年の大会出場時の仕様では、2002年仕様に対し約2.8 倍のエンジン効率となっています。


表


”加速テストの巻” でも述べましたが、最も効果の大きかったのはクラッチのマニュアル化 で、その次がメインジェットの変更でした。  その後のテストにおいて試した範囲では、それ以上の効果を得られる項目はありませんでした。

  • ピストンリングについて
    エンジンの機械抵抗損失の中で最も大きな割合を占めるのがピストンの摺動抵抗です。  (右のグラフは乗用車の場合)
    これは主にピストンリングの摩擦です。スーパーカブだと圧縮用のリングが2本とオイル用の リングが1本、計3本です。
    このうち圧縮用リング1本を外して、2本リングにして抵抗を減らしています。 逆にシール性が低下するので、必ずしも効率アップになるとは限りませんが。
    また耐久性が低下し、焼き付き易くなるらしいので、気安めでマイクロロンを塗っています。  でもエコランなので、高回転で長時間ブン回すわけではないから、大丈夫かなと思っています。  逆に高回転でブン回していないので、効果が少ないとも考えられます。
    結果としては効果は殆どみられず、数値上はやや効率が落ちているくらい。  評価にも誤差があるので、気分的にリングを1本外す方を選択しています。
    機械損失

  • 減速比について
    表中の減速比の数値は、エンジン回転1000rpmあたりの速度(km/h)です。
    ウチの車両の場合、クラッチがマニュアルなので、遠心クラッチのようにクラッチのミートと エンジンの効率の兼ね合いを考慮したギヤ比にする必要がないので、エンジン回転数を低め に設定しています。
    1号車についてはチェーンが無く、歯車なので、軸間ピッチとモジュールを決めると選択できる ギヤ比がとびとびになってしまい、丁度いいところにならないのも理由です。
    タイヤをプリモコメットに換えたときに更にエンジン回転が低くなる方向に行ってしまいました。
    でもこれはちょっと低すぎたようです。(フィーリングだけど)
    ギヤ比については評価が不十分で最適範囲はまだ掴めていません。

  • マフラー
    排気管については排気抵抗や管長をノーマルに合わせようとしているチームもありますが、 ウチは単純に排気抵抗が少ない方を選んでいます。(太くて短いという事)
    車体もエンジンから後ろの部分の長さが短いので。
    1号車はモンキー用のショートマフラーを切断したものを、2号車はアルミパイプで自作した ものを取り付けています。
    マフラーの自作に関しては、パイプ曲げの技術が無く、加工屋さんに依頼するのも高いので、 アルミ半田 というやつで接合してみました。
    効果としてはエンジンの効率がやや上がっているかもしれない程度。 音は勇ましくなりました。
    アルミ半田は融点が低いので、使っているうちに分解するのでは?という心配もありますが、現在 のところ形は維持しています。
    排気管製作 排気管比較

  • CDI2系統
    始動不良に悩まされた時にいろいろ調べたら、イグニッションコイル2次側の電圧が低い事が発覚。
    それまでは1個のCDIから並列に分けて2個のコイルをつないでいたのだけど、やっぱり無理 かと思い、CDIを2系統に変更。
    これで始動性だけでなくパワーも上がるのではと期待した。ツインプラグ化したときもあまり効果 が無かったのは、スパークが弱いからではないか?とも考えて。
    結局、始動不良の原因はCDIではなく、バッテリーの劣化であったのだが・・・
    エンジンの効率は微かに上がったのかしら?

2002年全国大会のときの2号車の記録は299km/Lで、エンジンの効率が単純に2.8倍 になったとすると燃費は837km/Lとなります。
2003年のツインリンク試走会で大雑把に計測した燃費も約800km/Lだったので、 加速テストの評価方法でもまあまあ近い線が読めるようです。






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