えっ これだけ? 摩擦が減るだけなの? クランクを手で回すときにはスプリングが重くて大変なのに、スプリングを弱くしても圧縮する分のエネルギー は少なくならないの? じゃあ吹け上がりが軽くなった話は気のせいなのか? 昔の人たちがやっていたのも摩擦を減らすだけの狙いなのか? 圧縮を高くするとクランクが重くなるので、スターターのモーターを大きくしなくては回らない場合があるが、 逆にばねを弱くしてクランクを軽くしたら小さいモーターでまわせるだろう。 ばねを圧縮する力の分だけエネルギーは小さくならないのか? 理屈ではあまり効果がなさそうだが、感覚的には効果がある気がしたので試してみる事にしました。 オーム社発行 関敏郎著 機械設計製図演習 3(ガソリンエンジン編) にバルブスプリングの設計に関する内容がありました。 (ガソリンエンジンの設計製図の演習なので、他にもいろいろな事が載っています。)
とりあえずノーマルのカブを見本にすれば、問題となりそうなのは5、6、7あたりだが、 5、7に関しては5000rpm以上回さないようにすれば半分のばね力でもいけるだろう。 6に関してはノーマルのばねも相当固かったから、半分にしても弁頭1cuあたり1kg程度はいくだろう。 という安易な判断のもとに設計を終えました。
試運転 手でクランクを回すとかなり軽くなっています。 エンジンを始動してみると特に問題無し。5000rpm以上は回さないように注意しながら。 でも本当はどこまで回して大丈夫なんだろう? 心なしか静かになったような気がします。(あてにならないが) 例によって加速テストを実施。
おおっ 期待していなかった割には効果があるではないか。 効率の値がバッチリ上がっている。 理論のところで述べた考え方が間違っていたのか? 摩擦が減っただけにしては効果が大きい気がする。 真面目に効果を見積もっていないからその程度の感想しか言えないが。 結論 思ったより効果ありです。 これはいけるぜ! 3号車・ゼンガーのバルブスプリングも交換してしまおう。 |