低速回転化実験 の巻


以下の理由で、エンジンを低速回転で使用すると効率がアップするのではないかと考えた。

理由1
インジェクションのテストをしていると分かるのだが、エンジンが暖まってくると少ない燃料でも調子良く回る ようになる。
これは、エンジンの温度が高い方が燃料が十分に気化されて良く燃えるようになるからだと考えられる。
エンジンの回転速度が低くなると、燃料を噴射してから点火するまでの時間が長くとれるので、燃料の気化が十分進んで 燃焼が良くなるはず。
まだウチの燃料噴射式は、キャブレターのものより効率が悪い気がする。(いつも大雑把なデータしか取れないので、断言できないが。)
キャブレターより燃料噴射の方がなぜ悪いのかと考えると、気化の部分の違いくらいしか思いつかない。
だから気化を改善すれば、もっと良くなるんじゃないか?

理由2
高速回転型のエンジンは、吸気バルブと排気バルブが同時に開くオーバーラップが大きく、燃料の吹き抜けも多い。
また、排気バルブが開くのも早めなので、燃焼ガスがピストンを押し下げる途中で排気が始まるため、十分に エネルギーを使いきれない。
逆に、低速回転型にすれば、オーバーラップを小さくして燃料の吹き抜けを減らし、排気タイミングも遅くして しっかりとピストンを押し下げられるようにできる。



これだ! と思い早速改造。



回転速度の狙いは、従来の約半分。
従来は1000rpmで9.86km/h のギア比だから、1000回転で約19.7km/hくらいになれば半分。
燃料の蒸発時間は約2倍確保できるということだ。
このくらいやらないと効果がわからないだろう。

まずはカムシャフトを削ってみました。
ノーマルのカムを削ることで、バルブを開いているタイミングを減らすことができます。
適当に削ったら、初期に対してこんな感じになりました。
吸気が大分早く閉じているけど、表示している角度は1mmリフト時なので、実際はもう少し開いています。
ギア比の変更はスプロケットの交換。
なんと、AのスプロケットとBのスプロケットを入れ替えると約半分の回転になることがわかった。
スプロケットを新たに買う必要が無いし、チェーンの長さを調整する必要すらない。
ラッキー。
入れ替えたときのギア比は、18.05km/h(at1000rpm)


テスト
こんなギア比で発進できるのだろうか。
(5000rpmで90km/hの比だから、原付のバイクで5速発進するよりもっと厳しい)
しかもウチのクルマはマニュアルクラッチだから、うまくミートしないとエンストするぞ。
でも考えてみたら、よそのチームの遠心クラッチでは、ロックしないうちに40km/hになっちゃうね。
だからマニュアルクラッチじゃないと使えない。
で、やってみたらなんとか発進できます。
当然スピードに乗るのに時間がかかる。
しかも半クラッチを使っている時間が長い。
けれど、再加速の速度の20km/hくらいにまでスピードがのってくると、クラッチを完全につないでも大丈夫みたい。
このときの回転速度はだいたい1100rpm。
(このエンジン、アイドリングだってもっと高い回転だ。ははは)
こんな低い回転でもクラッチを完全につなげるし、スロットル全開にしてトコトコ加速できます。
凄いね燃料噴射は。キャブレターだと息つきを起こして全開なんてできないよ。

発進はできることが分かったので、加速テストに移ります。
例によって、思い切り押してからエンジンを掛けて加速し、燃料の消費を調べます。
押してやれば、半クラッチを使う必要はないので、変なロスはとりあえず無し。



結果
おや? 燃料消費が多いぞ。
1.5CCくらいだ。
これまでだと0.9CCくらいだったので、かなり多い方だ。



考察
走らせていて感じたのだが、エンジンがなかなか暖まらない。
手で触ってみても、いつもほど熱くならない。
単位時間に発生する熱量が少ないから当然である。
燃料の消費が多くなった主な原因はその辺にあるのだろう。
燃料の噴射から点火までの時間は長くなったが、エンジンの温度が低くなっているみたいなので、燃料の気化は良くなったのか 悪くなったのか?

初めは考慮していなかったのだが、回転速度を低くする事により、燃焼室の内壁の温度は低下しているはずだ。
燃料の気化は吸気管の中だけでなく、燃焼室に入ってから点火するまでの間にも進行している。
だから温度のあまり上がらない吸気管より、もっと熱い燃焼室内壁の温度の方が重要なんだな、きっと・・・

それから、爆発した燃焼ガスが瞬間的に膨張すれば断熱変化だが、ゆっくりと膨張すれば、膨張の途中でガス冷えて温度が 下がり圧力が下がる。エネルギーが仕事として取りだせずに、熱として出ていってしまう。

要するに回転が低いのは不利だ。

そうか・・・逆だったか!





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