圧縮比アップ の巻



インジェクションでの効率がキャブレターの効率をなかなか超えないので、違いは燃料に気化にあると考え いろいろやってみたが結局良くならなかった。
ベースとなるキャブレターでのデータは精度がなかった、という事にして決着!
という事で、キャブレターとの差は何かという追究はやめて、とにかくインジェクションでの効率アップに方針転換!
そこで今回は圧縮比のアップです。

以前から、圧縮アップのつもりで、シリンダーブロックの上を0.8ミリほど削ってあったのだが、ツインプラグ化で 燃焼室の空間が増えているので、本当に圧縮が高くなっているのか謎であった。

スーパーカブのサービスマニュアルを見たら、圧縮圧力の測定というのが書いてあるではないか。  ノーマルの規定値も書いてあるから、これで計ってみれば、本当に圧縮が上がっているのかが分かる。
早速車両をバイク屋さんに持ち込み、圧力ゲージを借りて測定。
なんと、規定よりちょっと低い。
規定値は14kfg/cm^2だが、ウチの車両は13.3kfg/cm^2である。
そーだったか・・・。

どこかで聞いた話だが、圧縮アップのためにヤマハ・メイト(4スト)用のピストンをカブのエンジンに組み込んで使うこと があるらしいので、バイク屋のご主人に尋ねてみた。
しかし、メイトのピストンがどんなだったかは詳しく把握していないそうだ。
そこで、寸法データを調べてもらった。

 ピストン外径ピストンピン外径
ホンダ・スーパーカブ38.975 - 38.995 mm 12.994 - 13.000 mm
ヤマハ・メイト38.960 - 39.005 mm12.996 - 13.000 mm

・・・なんだこれ?
ピストンの径とか、ピストンピンの径が全く同じではないか。本当に使えそうだ。
ただ、調べた範囲では、ピストンピンから上側の長さとか、ピストン頭部の形状とかは分からない。
組み込んでもヘッドやバルブにぶつかるかもしれないが、とりあえず入手してみる事にした。






















ジャーン




















右:スーパーカブのピストン。
  シリンダーブロック研磨に合わせ頭部外周を削ってある。
左:メイト用ピストン。
  組み込んで、ぶつかる部分を削れば使えそう。

ピストンピンで串刺しにして並べてみました。
あら、使えそう。
しかもピストン頭部が盛り上がっていて、確実に圧縮アップが出来そうです。


結局、少し削ったら組み込めました。
もしかして、シリンダーブロックが削っていないノーマルだったら、そのまま組み込めたかも?
注意しなければならないのはスパークプラグの向き。
締めこんだときの向きが右の図ならOKだけど、左の図だとぶつかります。



結果
圧縮圧力を計ったら、22.8kg/cm^2。 バイク屋さんに笑われるほど上がりました。
かなり圧縮が上がったけど、スターターが回らなくなる事はありませんでした。
エンジンを掛けて走ってみたけど、ノッキングもしないようです。

例によって加速テストをやってみたら、1回あたりの消費は少なくなってるみたい。
インジェクションなのでキャブレターのときよりは計測の精度がいい。(いずれにしろ大雑把だか)
19km/hから37km/hまでの加速に相当するようエネルギー計算で補正してみると、 一回の加速で0.69CCの消費。

おおっ!! いいじゃん。

これを、2005年のゼンガーの走行パターンに当てはめると・・・
発進を含めて14回加速しており、そのうち発進は2回分の消費量とみなすと、0.69×15=10.35CC
これは、2005年のGrUの結果において5位の燃料消費に相当します。



本当か?
まあ楽観的な計算だけなので、そのとおりに上手く行くかどうかはわかりませんが。
しかもネタをバラしたら、同じことをされて他のチームが上に行っちゃうかも。


メイトのピストン(^^)V

ボアが同じということは、ストロークも同じ。ピストンピンまで同じ径だから、たぶん他の部分も同じだろう。
要するに、メイトはスーパーカブのエンジンをよーく測定して作ってあるって事かしら。
でも、ちょっと勝ちたいので、ピストンの頭部を盛り上げてパワーアップしているってかんじ。
きびしい闘いなんだね。






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