だって、コーダトロンカ形状の飛行機なんて知らないし、昔スペースシャトルが滑空テストをしていたときも後端のしっぽ を付けていたから。 では、空気を剥離しないテールの絞り込みは、どのくらいまでアリなのか? かなり昔になるけど、電波実験社のラジコン技術という雑誌に、胴体が短くてずんぐりむっくりだけど空気抵抗の小さい飛行機 の記事が出ていた記憶がある。 短いけど空気抵抗が小さいというのは我がチームの好きな方向性なので、その記事をもう一度見たいと思い、我が研究所の ライブラリーを検索しました。 ビニール紐で縛られ埃を被ったラジコン技術の束をほどいて、端からめくってみました。(ライブラリーか?) ありましたよ その記事が。
記事の抜粋を書きます。(詳しく知りたい人はバックナンバーを入手してね。・・・ あるわけないか)
クエストエアー・ベンチュアー 製作チーム・リーダーのジム・グリスウォルド(Jim Griswold)氏を初めとする設計グループのベンチュアー設計目標は次の ようなものです。
-----中略---- 本機は、胴体の抵抗を最低におさえる最適の比率、つまり胴体の直径と長さの割合を決定して、胴体の後流がはがれることなく テールコーンに取り付けた尾翼を通るように計算されています。 コ・デザイナーのエド・マックドナウ(Ed McDonough)氏によると、ベンチュアーの胴体径と長さの比率の最適値は3.5だ そうです。普通の飛行機が6〜8ですからずいぶん小さな値です。 彼によると、6の場合、3よりも30%も抵抗値が高くなるのだそうです。 細くて長い胴体が抵抗も少ないと思っていましたが、むしろ安定性に問題がなければ、このように短くてよいのですね。 -----中略---- こうして、オモチャの飛行機を思わせるような形をしたベンチュアーは、見る人に何かあるな、感じさせた通り、次々と飛行 記録を作っていったのです。 1989年6月7、8、11日、テスト・パイロットは、Rich Gritter と May Cay Beeler。
(1985年の450HPピッツ「サムソン」の3分59.27秒) 6000m・・・8分29秒(1986年のズリンZ50LSの12分19.88秒) 15/25kmのオープン・コース・・・302mph (1987年のグラスエアーVの284.10mph) 100kmクローズド・コース・・・305mph (1984年のSX300の271.13mph) 500kmクローズド・コース・・・285mph (1982年のAJ−2の253.23mph) 1000kmクローズド・コース・・・284mph (1982年のLONG−EZの207.99mph) なるほど。 短いけど空気抵抗が少ないというだけではない。 かなり高性能ではないか! しかも胴体は短くても良いというのではなく、最適値があって、長すぎてはいけないらしい。 たしかに、長すぎれば表面積が増えて空気の粘性からくる摩擦抵抗が大きくなるわけだ。 最適な比率は、一般的に思われているよりずんぐりしているということね。
胴体径と長さの比率の最適値は3.5 もちろん、太くしろという意味ではない。 必要な太さに対し、胴体を長くしすぎないのが良いという意味だ。 これはすごく参考になる。 これならコーダトロンカ形状にせずに、テールを絞った方がいいケースが案外多いということになりそうだ。 でも、うちのクルマじゃちょっとテールを絞りきれないけど。 こんど新しく設計するときは考えてみよう。 |