流体力学



空気抵抗に関する事を調べたくて、大学時代のノートをさがしていたら、同じような もので筆跡の異なるものが4冊くらい出てきた。
そういえば、大学3年のときに俺だけが流体力学の単位を落としてしまい、4年のときにも 流体力学の講義を受けたのだ。 それらのノートは、俺を哀れに思った友達がくれたものだった。
そのノートを見たのだがさっぱり分からない。
微分方程式ばっかり。
当時も理解していなかったよな。 だから単位を落としたんだけど。
ノートを見て分からない部分は他の文献やインターネットを検索して調べつつ、エコランカーのボディー形状 について考えてみました。
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  1. ダランベールのパラドックス
    図1 一様な流れの中にある円柱が受ける圧力を全周にわたって積分すると合計はゼロになる。
    要するに抵抗を受けない。
    これをダランベールのパラドックスというそうです。
    流れの速度が変化する事で圧力が変化するというのはベルヌーイの連続の式で説明 されるから、左の図の様に流線が対称ならば流体が円柱に及ぼす圧力は打ち消し合う。
    なるほど、そうかもしれない。
    では、どの位置にどういう圧力を受けているのかを調べてみたら、右の図の様になるとのことだ。
    上流側で流体がぶち当たった分の圧力を 下流側からも押しているじゃん。
    これは粘性の無い理想流体での話であって、実際は粘性があるために剥離が生じるので、流線が左右対称に ならず、流れによる圧力抵抗を受ける。

    ところで、粘性があっても上手く剥離しないようにしたら下流側から押してくれるんじゃない だろうか?
    でも、剥離しないように涙滴形にすると揚力が発生するように下図左のようになりそうな感じで、 後ろ側へ引っ張られるけど、押してもらえるとは思えない。
    じゃあ逆キャンバーをつけたら? これなら後ろから押す力が発生するかもしれない。
    逆キャンバーの形は円柱周りの流線の形に似てるし。
    図2
    図3 そういう結論でいいんだろうか?



    注意‥
    左の二つの図は想像して描いたものです。
    信用しないように。
    もしかしたら正しいかもしれないけど。


  2. 境界層
    流体の流れには層流と乱流がある。
    壁面付近の流れは、右の図のように速度分布を生じる。この速度分布のある領域を境界層という。
    これは流体の粘性があるために起こる現象であり、境界層の領域内では流れの中に剪断応力が生じている。
    層流と乱流の境界層の速度分布をくらべると、高さ方向の速度変化が異なり、 速度変化の大きい乱流の方が剪断応力が大きい。
    要するに、流体が壁面に及ぼす抵抗(摩擦抵抗)は、層流より乱流の方が大きい。
    図4


  3. レイノルズ数
    Re=(U×L)/ν
     Re:レイノルズ数、U:代表速さ、L:代表長さ
     ν:動粘性係数‥空気(1気圧、20℃): 1.51x10-5 [ m2/s]
    レイノルズ数が3000くらいまでが層流で、それより大きくなると乱流になるそうです。

    このレイノルズ数というのがよくわからなかった。
    でも最近少しわかってきたのだが、こういう解釈でいいのかな?

    層流の流れの中に平板を置くと、平板上には右の図のような領域で境界層が発生する。
    平板の先端付近では境界層の厚みは小さい。
    境界層内部には粘性(剪断力)によって層を崩そうとする力が働いていて、壁面付近をずっと 層流のまま流れてはくれない。
    平板の上流側で流れの慣性が勝っているうちは層流だが、そのうち粘性の力に 負けて乱れ、乱流になってしまう。
    その慣性力と粘性の比がレイノルズ数。
    だから、レイノルズ数を計算して大きい値だからその平板上は乱流というのではなく、先端付近は層流なのだ。
    レイノルズ数は、壁面上を流れていくうちに乱流に遷移しやすいかどうかの指標になるらしい。
    図5
    そういう解釈でいいのだろうか?
    その解釈を元に計算すると、時速20kmと時速40kmのときのレイノルズ数が3000 になる長さは、
    20km/h=5.55m/s →L=0.0082m=8.2mm
    40km/h=11.1m/s →L=0.0041m=4.1mm
    げげっ! 先端付近は層流といっても、4ミリとか8ミリとかまでで、そこから後ろは今にも 乱流になりたがっているので、何かのキッカケがあるとすぐ乱流になっちゃうのか。




  4. 層流翼型
    層流翼というとP51ムスタングの名前が出てくる。
    飛行機は圧力抵抗より摩擦抵抗の影響が大きく、翼表面の摩擦抵抗の割合が非常に大きい。
    層流翼型は、翼のふくらみが最大になるポイントが前縁から40〜50%と、通常の翼型より 後ろにあるのが特徴で、これにより層流領域を増やし、乱流領域を減らして空気抵抗を少なく するそうである。
    図6
    この翼型のお陰でムスタングは高性能なのだから、かなり効果はあるらしい。
    という事は、ふくらみ最大のポイントまでは層流が維持できるのか?
    先程の計算を参考にすれば、翼先端からすでに乱流になりたがっているというのに。
    しかも速度は10倍以上だからレイノルズ数は1桁大きい。
    つまり、 だんだん厚くなっていく部分では層流を維持できる ってことでしょうか?
    それなら、ふくらんだ位置を更に後ろにもっていけば、もっと空気抵抗を減らせるって事?
    図7

    流れの圧力分布が正の勾配だと不安定で乱流に遷移しやすい、とノートに書いてある。
    円柱の例でも、もっともふくらんだ位置までは圧力勾配は負なので、翼の場合もふくらんだ位置までは 圧力勾配は負になるから比較的安定なのでしょう。




  5. 境界層制御
    ゴルフボールのディンプルは空気抵抗を減らすために有るそうである。
    そのディンプルで流れを乱流にするのだ。
    先程の説明と矛盾しているようだが、乱流にする事により空気の剥離ポイントを後ろに ずらすのだ。
    層流に較べ乱流は剥離しにくい そうである。
    ディンプルによって流れが乱流になり、剥離ポイントが後ろへずれると下流の負圧領域 が小さくなるため空気抵抗が減るって事。
    これはひとつの境界層制御の手法。

    図8


    わざと乱流に遷移させて流れを剥離しにくくする方法に、ボルテックスジェネレータ法 やトリッピングワイヤー法がある。
    また、乱流になるきっかけの空気を、壁面に並べた小孔やスリットから吸い込んで層流を保つ方法がある。
    こっちは剥離しにくくするのではなく、摩擦抵抗を減らすため。
    図9


以上の考えをくっつけて空気抵抗の小さい形状を組み立てるとこんな感じです。
  • 一番太い部分は後ろ寄り
  • テールの絞り込みはきつめで、逆キャンバーとか付けちゃう。
  • Aポイントにボルテックスジェネレータ、或いはBポイント辺りに細かい孔を並べて空気を吸い込む
理想形状?

一般的によく見られる流線形と違うけど、まんざらデタラメでもないんですよ。
これ なんかいい例だと思います。
上からみた形状がズバリこれです。
自転車だけど100km/h以上の速度を競うから、脚力と空気抵抗のバランスしたところが最高速度なので、 空気抵抗はモロに効きます。
エコランカーより厳しいかな? 極限ではどっちとも言えないけど。

エコランカーのボディー形状の理想を調べ始めて、なんとなく方向性が見えた気がするけど、 設計方法についてはまだまだ分かりません。 流体力学のノートを見ても微分方程式がチンプンカンプンなので 計算できない。



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