現在の地方公共団体の会計は、「現金主義・単式簿記」方式を採用しており、会計年度にどのような収入があり、その収入を何のためにどれだけ使用したかを明らかにすることには優れていますが、これまでに整備した社会資本(資産)の状況や、今後返済すべき地方債等(負債)の残高などのストック情報が把握できません。
そこで、国は、地方公共団体が自ら保有する資産・債務の実態を把握し、情報開示を徹底することなどを目的に、「発生主義・複式簿記」方式による企業会計的手法を用いた財務書類を作成し、公表することを地方公共団体へ要請しました。
この要請を受け、多野藤岡広域市町村圏振興整備組合では平成28年度決算より、総務省が示す「統一的な基準」に基づく財務書類を作成しましたので、公表します。
※制度の詳細については、総務省のホームページをご覧ください。
財務4表について
財務諸表は以下の4表から構成されます。
1 賃借対照表
どのような財源(負債・純資産)でまかなわれているのかを対照表示した財務書類です。賃借対照表により、基準日時点における地方公共団体の財政状態(資産・負債・純資産といったストック項目の残高)が明らかになります。
表内の左側(資産合計額)と右側(負債・純資産合計額)が一致(バランス)することからバランスシートとも呼ばれます。
2 行政コスト計算書
一会計期間(4月1日から翌年3月31日までの1年間)において、資産形成に結びつかない経常的な行政活動に係る費用(経常的な費用)と、その行政活動と直接の対価性のある使用料・手数料などの収益(経常的な収益)を対比させた財務書類です。経常的な費用(経常行政コスト)と経常的な収益(経常収益)の差額が、資産形成に結びつかない経常的な活動について税収等でまかなうべき行政コスト(純経常行政コスト)となります。
3 純資産変動計算書
賃借対照表の【純資産の部】において、純資産を減少させる要因と増加させる要因が1年間でどのように変動したのかを表しています。
4 資金収支計算書
一会計期間における、地方公共団体の行政活動に伴う現金等の資金の流れを性質の異なる三つの活動(「経常的収支」、「公共資産整備収支」、「投資・財務的収支」)に分けて表示した財務書類です。現金等の収支の流れを表したものであることから、キャッシュ・フロー計算書とも呼ばれます。
財務書類の公表
※開始賃借対照表は、統一的な基準導入初年度の期首における賃借対照表上の資産、負債及び純資産残高を勘定科目別に算定したものです。