2001年9月ホンダエコノパワー関東大会(試走会)に参加。(桶川のTEC−Rプラザにて) それまでにテスト走行はしていたものの、これほど広い場所で走るのは初めてである。 これまでテストしていた場所よりもスピードが出せる。 このコースを走ってみて分かった事であるが、直線でもフラつくほど安定が悪い。 ほんとうに危ない。コースわきに突っ込みそうになった。 こういう広い場所で走る機会は無いので、なんとかこの場で直して全国大会に臨みたいものである。 そこで、急遽前輪のキャスターをねかしてみた。 走ってみるとなおさら悪くなっている。 いろいろ考えたあげく、キャスター角を戻し、トーアウトをつけてみたらややマシになったのである。 結局、2001年のエコパ全国大会もそのトーアウトのセッティングのまま出場してしまった。 |
図1 通常ステアリングのキングピンの角度はこの様にします。 キングピンの延長線と路面との交点はタイヤの接地点の少し前になります。 キングピン延長線交点と接地点の距離をトレール量というそうです。 |
それに較べてうちのクルマはこんな状態になっていました。 あ〜あ こりゃ駄目だ。 トレールがマイナスしてるし。 |
それが分かったのならそのようにすればいいのだけれど、16インチのタイヤだし、ハブの幅は広いし、
まともにやるとこんな感じになってしまう。 これじゃあ ちょっとねぇ・・・ まえから見たときにキングピンが傾き過ぎだよね。 |
キャスター角だけ残してこんな形にしたらどうなるかというと、
ハンドルを切ったときに車体がコーナーの外側にむかって傾きます。 逆に考えると、コーナリング中の遠心力が加わると更にハンドルが切れ込むという事。 だからキャスターをねかしたら安定が悪くなったんだなぁ。 あぶない、あぶない。 |
もうひとつ、うちのクルマの安定が悪い理由があります。 車体の重心がかなり後ろにあることです。 エンジンは後輪の横にあるし、車体が短くて前側のオーバーハングなんて無いからドライバーの位置 も後ろ寄りなため。 重心位置は後輪軸から前側に490mmくらいの位置。 タイヤの接地点の三角形を書くと、重心はこんな位置関係。 三角形を横切る線の長さが207mm 4輪車ならトレッドが207mmってことか! |
だからちょっと勢い良く曲がると重心が外側に移動して、前輪と後輪の接地点を結ぶ線からはみだし、
路面にマフラーを擦ったりします。 見た感じでは分からないけど、安定性としてはこんなのが走っているのに近い。 |
ということで、2002年仕様では右の図の様に改造しました。 キャスターは垂直でハンドルの復元性はトレール量だけに頼ります。 これでもハンドルの復元性はあるはず。 台車のキャスターだって、キャスターとはいうもののキャスター角は垂直でトレールだけだし。 |
いい例がこれです。(カート) このタイヤとキングピンの位置関係で図1の様にはできないでしょ。 トーアウトはもちろんゼロに戻しました。 車体を前に延長して軽トラの荷台ギリギリの長さにして、できるだけ前寄りに乗るようにしました。 バッテリーも前に移動。 重心位置も少しは改善できてるみたい。 |
結果
あまり注目しない部分かもしれないけど、2001年のエコパ全国大会にてトップチームのステアリ ング系を観察してみました。 うーん どこのチームもちゃんと出来てる。 当然か・・・ |
富士エコラン・チーム白糸 | Team T−ARK | チーム・ベイント |
ところで、トーアウトを付けたらなぜ良くなったのだろう? 説明できそうで出来ないな。 誰か知っていたら教えてください。 おまけ いろいろ考えていてわかった事だけど、後輪操舵は難しいです。 旋回時の遠心力がステアリングを切れ込む力として働くから。 トレール量をゼロにすればいいけど、それも安定悪いし。 だから台車のキャスターは前輪側なんだね。 というか、クルマは全部そうか。 あれ? フォークリフトは? 追加説明 |