歯周病とプラークコントロール 番外編

小さなお子さんの歯磨き

お母さん、お父さんによる「仕上げ磨き」

 乳幼児検診などの際に「うちの子は(親による)歯磨きを嫌がる」という訴えをよく聞きます。一方時には「歯磨きが大好き」というお子さんもいます。自分で磨く能力がつくまでは、お母さんお父さんによる歯磨きはむし歯予防のための大きな柱です。あせらず、ゆっくり、歯磨き好きにしていきましょう。

○まだ歯が生えていない、歯が生え始めた赤ちゃんには
 眠くない、母子ともに機嫌のよいときに、赤ちゃんの歯ぐきをきれいな指で、軽くこすって磨いてみましょう。これにより「赤ちゃんが」口の中を触られることに慣れる、とともに、「お母さんが」口の中を触ることに慣れることができます。どの部分を触ると嫌がるのか、などもわかってくると思います。またいきなり硬い歯 ブラシを突っ込むよりも、お母さんも怖くないと思います。
 歯が生えてきたら、清潔なガーゼなどで歯を拭いてみましょう。これも同じように触られること、触ることになれるためです。この時期では、きれいにできることよりも嫌がられないことが大切です。きれいにしようと無理をして痛がられないようにしてください。

○歯が生えそろったお子さんは
 歯磨きが大好きなお子さんは、そのまま楽しく仕上げをしてあげましょう。でも、自分で歯磨きする習慣も忘れずに。最初は遊びですが、だんだんと磨きかたを教えてあげましょう。上手にできたらぜひほめてあげてください。
 歯磨きを嫌がるお子さんは、なぜでしょう。もちろんその子の個性も大きく影響しますが、以下のようなことを考えてみましょう。

母(父)親の立場から

1.親が子供の歯を磨くことに慣れていない
 そのために、歯磨きが子供にとって痛かったり気持ち悪かったりしている。口の中がよく見える姿勢(寝かせ磨き)で、硬い部分が歯にくにあたったり、毛先がほっぺや小帯を引っ掛けな いように気をつけること、などが大切。

2.親がむし歯予防のために歯を磨かなくてはならないと思うと、心の余裕が無くなり、顔がこわばる
 その心の動きは敏感に子供に伝わって、ますます嫌がる。そうするとますます・・・・。

子供の立場から

1.子供が歯を磨かれることに慣れていない
 口の中はもともと触られることに過敏な部分。でも根気よく慣らすことにより、徐々に嫌がらなくなる。また、息を吸ったり、息を止めたりするタイミングに気をつける。

2.子供が、これからどのようなことをされるかわからないので怖がる
 遊び道具として歯ブラシを持たせる、お母さんも一緒に磨いてみる。

 これらのことがそれぞれ係わり合い、悪循環に陥っていることが多いと思います。それぞれ解決のワンポイント・ヒントをあげましたが、残念ながらこれですぐに歯磨きが好きになる特効薬はありません。機嫌のよい時、楽しい機会を利用して、あきらめないで根気よく、あせらずに慣れていくようにしましょう。

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