歯周病とプラークコントロール

歯周病の原因

歯周病の原因

 それでは、歯周病の原因は何なのでしょうか。
 少し前までは、歳をとると歯は抜けるもの、入れ歯になるもの、と一般には思われていました。つまり、歯が抜けていくのはのは誰にも避けられない「生理的現象」と思われていました。しかし、90歳をすぎても全部の歯が残っている方もいれば、30歳台で総入れ歯になってしまう方もいます。歯が生えてくるのとは異なり、歯が抜けていくのは決して自然な現象ではありません。
 これは、れっきとした原因のある「病気」なのです。

歯垢(プラーク)とは

 結論から言うと、歯周病の原因は口の中に住んでいる「細菌」です。どんなに清潔にしている人でも、体の表面や胃腸など消化管の中には、無数の細菌が生息しています。口の中も同じことで、500種類くらいの細菌が住んでいるといわれています。これらの細菌は、通常の状態では体に害を及ぼすものではありません。粘膜の表面や、唾液の中にバラバラで存在する時は、全身的な病気を起こすバイキンとは異なり、病気を引き起こすものではないのです。
 しかし、口の中には「歯」が生えています。歯の表面は硬く、歯肉や皮膚のように生きているわけではないので、細菌が付着しやすい条件になっているのです。そのため歯の表面には多くの種類の細菌が付着し、細菌の塊を作ります。 これが「歯垢」です。鏡を見て、歯の表面、特に歯と歯の間や歯の裏側などを、爪の先でこすってみてください。白い柔かい「垢」みたいなものが付いてくる人が多いと思います。これが「歯垢」「プラーク」などと呼ばれるもので、細菌の塊です。 針の先くらいの歯垢は、数億の細菌で出来ています。

歯垢と歯周病

 この歯垢の中に住むたくさんの細菌の中に、歯周病の原因菌がいます。歯垢を形成するすべての細菌が有害なのではなく、歯周病を引き起こす細菌は何種類か特定されています。 清掃が行き届かず歯垢を長い間付着させておくと、歯垢の中が徐々に歯周病菌の好む環境に変わり、歯周病菌が増えて来て、歯周病を引き起こすのです。
 皆さんほとんどの方が、毎日歯を磨いていると思います。しかし同時にほとんどの方が、きちんと歯垢を取り除ける磨き方ができていません。歯と歯の間や、歯と歯肉の境目など、肝腎なところが磨けていない人がほとんどなのです。
 このような場所に長い間歯垢が付着していると、歯周病菌が毒素を出し、歯肉が腫れてきます(歯肉炎)。さらにこれを放置する事により、歯肉の中で免疫反応により歯槽骨が破壊されていくのです(歯周炎、歯槽膿漏)。
 他にも歯周病をより悪化させるさまざまな原因がありますが、本当の意味での「原因」は、歯垢、すなわち細菌なのです。

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