歯周病とプラークコントロール

歯ブラシによる清掃法

歯ブラシによる清掃法

 プラークの除去方法のうちで、最も一般的なのが歯ブラシによる清掃です。ほとんどの人が歯ブラシを使っていると思いますが、同時に多くの方が十分に効果が上がっていないのが現状です。
 歯磨きも昔から色々な名前のついた方法が推奨されてきました。しかし口の中は人によってさまざまで、また一人の口の中でも歯並びが一定ではありません。そのため、ひとつの方法では、全体はなかなかきれいになりません。
 当院では、「毛先磨き」を薦めています。これは要するに、「磨きたい歯の面に対し、歯ブラシの毛先が直角に当たるように、歯ブラシを位置づけ、動かす」やり方です。
 したがって、お口の中の歯の位置、生え方、形などによって、歯ブラシの角度やあて方は変わってきます。なかなか一度では全体をきれいにできるようになりませんが、原則を理解していただき、ご自分で考え、練習し、また医院で指導させて頂くことにより、徐々に磨き方が完成していきます。実際にブラッシング指導を受けると、何でこんなに何回もと思われるかもしれませんが、それはご自分の口の中を把握し、磨き方を完成していくための過程なのです。

歯ブラシの毛先を歯の面に直角に当てる方法

 それでは具体的に、どの様にすれば歯ブラシの毛先を歯の面に直角に当てられるのでしょうか。それにはまず歯の形を知ってください。一本一本の歯は平らな板や四角形ではなく、丸みがあります。したがって、歯列は円柱や球、すなわち「湯飲み茶碗」や「ボール」がくっついて並んでいる、というイメージを考えてください。
 そのすべての面に毛先を当てるには、一本一本の歯に対してすべての方向から歯ブラシをあてなければなりません。歯を3つの面に分けて考えるのも良いと思います。

 そして、あまり力をいれず、あまり大きく動かさないことも重要です。力を入れすぎると毛先が開き、毛の側面しか当たりません。また大きく動かしすぎると、歯肉に傷をつけたり、狙いがつかなくなります。
 使用する歯ブラシは、ごく一般的な形のもので結構ですが、選定のポイントとしてはヘッドがコンパクトなこと、植毛が密で毛が短め、硬さは中くらいから硬めのものを選んでください。普通に市販のものは大体大きめなのでご注意ください。

 この方法で行なうと、最初は口の中全体を磨くには結構時間がかかり、またかなりまだるっこしいと思われるでしょう。しかしある程度の時間は必要ですが、歯並びの状態を把握し慣れていくうちに能率は上がってきます。そして何よりも口の中の状態がよくなり、さわやかになってくると思います。

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